ento(株)の3本目の矢、銀鏡(シロミ)です!(ある人にそう呼ばれてじわじわと気に入ってきた二つ名です。笑)
11/2(金)13:30~17:00 東京都千代田区のお茶の水ソラシティにて、テレワーク推進フォーラムが主催する、産官学連携セミナーを拝聴してきました。
今年度のテーマは「テレワークの更なる普及に向けて」。
テレワークを導入して10年以上の企業3社からその実績や効果を、学術分野からはコワーキングスペースの動向を。
そして政府におけるテレワーク推進の取組紹介として、総務省・厚生労働省・経済産業省・国土交通省の4省から発表がありました。
現在テレワークを導入している(従業員数100人以上の)企業は13.9%。そのなかで、利用者数が従業員の5%未満の企業は51.4%なのだそう(総務省「平成29年通信利用動向調査」より)。
全国的にテレワークを広めるには中小企業に導入してもらうことが肝要と仰っていましたが、今回講演をされた3社はすべて通信産業を中心にしている大企業さんで、テレワーク歴も長く、バリバリの最先端です。
そんな最先端の大企業でも、ITCインフラや労働制度を整えて社員に浸透するまでは、約10~20年の歳月がかかっています。
これは地方の中小企業にはハードルが高いな……と感じたのも事実ですが、ただ、そういった先駆者が道を切り開いてくれているので、中小企業が本気になって後を追おうとすれば、数年で全社員に対して導入することが可能なのではないかとも思いました。
今回、印象的だったのは「テレワークは、単に在宅勤務をする制度ではない」ということ。
テレワークを行うためには、だれがどんな業務を行っているのか、それに対して誰が管理・マネジメントするのか、という点をまずは棚卸する必要があります。
この棚卸で、無駄や足りない部分を見つけることができ、必要に応じて業務プロセス自体を見直すことができるのです。
総務省の方が、
「うちにはテレワークに向く業務はないよ、と思うかもしれませんが、テレワークというのはできそうな仕事を切り出すのではなくて、業務プロセスを見直して会社で行っているのと同等の仕事を自宅やサテライトオフィスでもできるようにすることですから」
とさらっと仰っていたのですが、この部分ってまだあまり多くの人に理解されていないんじゃないかと思います。
テレワークを推進する方々が口をそろえて言うのは、「テレワークは福利厚生ではなくて、全員が利用できる制度」だということです。
育児や介護を理由に一部の人が享受できる恩恵なのではなく、すべての社員が使える働き方なのですから、会社で行うのと同等の規則が適応され、成果を挙げなければいけないのです。
つまり、テレワークは場所を選ばない便利な働き方ではありますが、決して“ラクな”働き方ではないのです。
子どもの面倒をみながら、片手間でできる仕事を家で行う制度ではないし、何らかの理由で出社できないときの緊急措置でもありません。
だから、出社して仕事したほうがはかどるし、気持ちも切り替えることができるから自分は出社するよ、という人がいて当たり前です。
テレワークすれば時代の最先端で、ライフをたいせつにした働き方をしているってわけではないでしょう。
「テレワーク」という働き方が当たり前にあって、“選べる”ということがたいせつなのだと思います。
全員が利用できる制度ならば、テレワークを利用することで負い目を感じることもありませんから。
全員って、従業員だけでなく、もちろん取締役とか経営陣の方もです。
(でも個人的には、最初は福利厚生的な扱いでもいいんじゃないかなって思っています。設備投資とか費用の関係もあるでしょうし、徐々に広げていくのが無理のない方法かな、と。でも、やるなら最初から徹底的に!という考えの企業さんもあるでしょうし、そこは合った方法を見つけるのがよさそうです)。
ento(株)では、女性の働き方支援を業務のひとつに掲げています。このなかには、「企業へのテレワークの導入アドバイス」も含まれています。
女性がさまざまなライフステージを経るなかで、会社を「辞めたくないけど辞めざるを得ない」ために、キャリアをあきらめてしまうことは少なくありません。
会社だって、「辞めてほしくないけど続けられる制度がない」から、泣く泣く優秀な人材を手放している状況がたくさんあるでしょう。
テレワークの導入は、そんな「お互いに思い合っているのにむすばれない」遠距離恋愛のような状況を打破する、とっても有効な手立てだと思うのです。
それ以外にも、たくさんの会社でテレワークを導入してくれたらいいのになあ……と感じる理由はあるのですが、それはまた追々こちらのブログでupしていきます!